ダンゴムシの飼い方・遊び方


どこにでもいるダンゴムシ

コップの中でもどこでも飼えます。

姿も動きも可愛らしい

迷路など遊びや研究もできます。

ダンゴムシを飼って遊ぼう

 

ダンゴムシはエビやカニの仲間

 どこにでも普通に見られるダンゴムシは正式にはオカダンゴムシといい、昆虫ではなくエビやカニに近く同じ甲殻類の仲間です。生まれた時から同じ形で脱皮を繰り返して成長し、大人になると7対14本の脚になります。
 

ダンゴムシは長生き

 以前は寒冷地の北海道にはいなかったようですが、温暖化のせいでしょうか、現在では札幌付近道央では普通に見られます。元々は外来種ですがかなり前から(江戸時代?)の移入で、今ではすっかり生態系の一部として全国に定着しているようです。形も似ている仲間のワラジムシと共に落ち葉を土に返す「分解者」として、生態系の重要な役目を果たしています。生態系に悪影響を与える「外来種」と言うより生態系の一員としての「移入種」または「帰化種」と言ったほうがいいでしょう。驚くべきことは寿命が約3年もあるらしいのです。セミのように幼虫時代に土中で何年も暮らすのではありません。生まれた時から同じ姿で脱皮を繰り返し徐々に成長するのです。
 

ダンゴムシは研究に最適

 ダンゴムシはどこにもいて、飼育も繁殖も容易です。ダンゴムシ自体も「交代制転向反応」と言う特殊な能力があったり、脱皮の周期があったりまた寿命も長いので様々な研究対象になりますが、様々な実験動物としても最適です。大学でも研究に使われています。多量の飼育もできるのでデータが取りやすいからです。実際、「自然科学観察コンクール」などで多くの子供たちが受賞しています。
 

ダンゴムシは可愛い

 ダンゴムシをペットにする方はあまりいないようですが。あらゆる生き物の中で最も「可愛いムシ」だと思います。まず名前がいい。「ダンゴウオ」も可愛い魚ですしダンゴムシは「マルムシ」とも呼ばれています。何とも可愛い名前です。形も不思議で大変ユニークです。なんと言ってもほぼ球形になる構造がすごい。また動きの速度が人と遊ぶのに丁度いいのです。また、夜行性なのになぜか日中に道路上を歩いている姿をよく見かけます。ワラジムシなど他の夜行性のムシにはあまりないことです。飼育してわかったことですがかなりお散歩好きなのです。
 もしダンゴムシが山の中を1時間近くかかってやっと数匹採集できるかどうかのムシ(例えばクワガタムシやオオムラサキ)だったら、きっと子供たちは必死に探すことでしょう。どこにでもいるから見向きもしないのです。ぜひダンゴムシを飼って、遊んで、研究してみましょう.。
 

ダンゴムシの飼い方


透明なプラスチック容器やコップでも何でもかまいません。ガラスやプラスチックは登れないのでふたも必要ありません。新聞紙とペーパータオルが土の代わりです。霧吹きやスポイト、ピンセットか割り箸、スプーンと紙コップがあればいいでしょう。

容器の下に新聞紙を重ねて水で湿らします。ダンゴムシは湿気のあるところが好きです。乾燥させるとすぐに死んでしまいます。かと言って身体が濡れるのも好まないようです。

上にペーパータオルを敷いて湿らします。もちろん土がダンゴムシにとっては一番いいのです。特に市販の腐葉土や昆虫マットがあれば最適です。付近の土を使うのは雑菌や他の様々な生き物のすみかであり、あまり好ましくはありません。 

 

 

紙コップの底を切り取って餌入れにします。ダンゴムシが出入りできるように一部分はカットします。紙コップは掃除の際にダンゴムシを入れて置いたりします。

餌入れと落ち葉を入れれば準備完了です。落ち葉はダンゴムシの主食であり住みかにもなります。

落ち葉の代わりに濡らしてちぎったダンボールでもいいでしょう。餌は様々な野菜、餌入れにはカツオブシも入っています。また水分が補給できるように湿らせたティッシュペーパーを丸めて隅に置いてあります。
 
 

ふたをしなくてもよじ登って逃げることはできませんが、乾燥を防ぐためと暗くするため、大きめの紙などで覆ったほうが良いです。ダンゴムシは夜行性で明るいところは嫌いです。

土を敷き枯れ枝や枯れ葉を入れ自然状態に近い環境の飼育容器です。ただしほとんどの時間は土に潜って過ごしていて、面白みに欠けます。

透明容器とペーパータオルでの飼育容器では見やすいし清潔感があります。ダンゴムシはよく食べよく糞をするムシです。土ではよく分からないのですが白いペーパータオルですと糞がよく見えます。健康状態が把握できるだけでなく、枯れ葉を食べ土に返すという生態系の中で「分解者」という役割がよく解ります。

ダンゴムシで遊ぶ

ダンゴムシのマーキング


飼育して遊んだり研究したりするダンゴムシにはマーキングして1匹1匹を区別できるようにしましょう。普通のペイントマーカーで大丈夫です。

背中の一部分に印を付けます。ダンゴムシは脱皮をするのでそのうち消えてしまいます。それを利用して様々な条件による脱皮周期の研究もできます。

マークの位置と数により個体を区別できます。色を使えば多くの組み合わせができます。

ダンゴムシのオス

背中に色や模様はなく光沢があります。


ダンゴムシのメス

黄色い斑点や模様があります。


綱渡りも意外と上手

迷路を作って遊ぼう。

ダンゴムシの迷路

ダンゴムシには「交替性転向反応」という能力があるのです。それは進行していて障害物に当たると左右どちらかに曲がりますが、次に障害物に当たると今とは反対に曲がる、つまり当たる度に右左右左と交互に向きを変えて進行することです。それは天敵などに遭って逃げる時ジグザグに進むのが最も早く距離を稼げるからだそうです。ただこの「交替性転向反応」はダンゴムシの特殊能力ではなくゴキブリなど他のムシや動物にも多く見られるものです。しかし、動きの速度や何と言ってもユーモラスな歩き方が、迷路遊びにぴったりなのです。


交替性転向反応実験の迷路

交替性転向反応実験の障害物

ダンゴムシと実験セットを販売しています。

ダンゴムシはどこにでも身近な所にいるのですが、それがかえって捕まえるのに少々抵抗があるのです。自然の野山にはまずいません。人が住んでいる住宅地の庭の植え込みや都会の公園の落ち葉や石の下です。チョウを取るため補虫網と虫かご持って行くなら堂々といけますが、ダンゴムシは日陰にうずくまって落ち葉や石ころをひっくり返して捕らえなければなりません。人に見つかれば何をしているのか問われます。「ダンゴムシ」と答え、獲物を見せたところで多分苦笑されるでしょう。大人が飼っても‥、いえいえ大人にも子供にも楽しいムシですが、大人が手に入れようと思うと以外にも難しい生き物なのです。そこで、当「自然の恵屋  北海道本舗」で販売することにしました。ダンゴムシを飼って、まずやりたいのは迷路です。ところがその迷路を作るのが結構難しいのです。せっかく作ってもダンゴムシがよじ登ったり、うまくいかないことが多いのです。そこで、当方は迷路を簡単に作れるセットと一緒に販売しています。

湿らせた水苔の中にダンゴムシが6匹います。餌の枯れ葉、迷路セットで販売しています。

迷路の型紙
型紙の線の通りに壁になる紙を、接着剤や両面テープで貼り付けて組み立てます。壁になる紙はコーティングしてあるのでダンゴムシは登れません。
作り方など